地軸
老後「自己責任」
- 長生きすればするほど大変になる―。こんな思いを抱いた人も多いだろう。金融庁が先日公表した報告書は、老後の生活は年金を当てにせず、資産運用でカバーするよう説いている。
- 95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要という。「公的年金財政は100年安心」と国は触れ込んできたはずなのに。誰もが安心して長生きできる社会づくりこそが国の役割であり、自己責任を強調するのは違和感がある。
- 「はたらけど はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る」(石川啄木)。高齢になってまで、こんな思いをさせるのはあんまりだ。
(2019-06-06 愛媛新聞)
https://www.ehime-np.co.jp/article