〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

感情を赤裸々に記した啄木の日記・手紙

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マンサク

正直さ胸打つ啄木日記

  盛岡 池田功さん講話

  • 歌人・詩人石川啄木の命日となる13日に盛岡市渋民の宝徳寺で啄木忌講話が開かれた。明治大教授で国際啄木学会会長の池田功さんが「石川啄木の日記と手紙の魅力を読み解く」と題して講演。「正直な気持ちが赤裸々に書かれているところに心を打たれる」と文学としての魅力を語った。
  • 啄木16歳から26歳までの日記13冊について「1月1日ではなく、文学で身を立てて上京する前日に書き始めたところが面白い。本名を記した日記ではなく、文学者として書いた意識が感じられる」と考察。▽備忘録ではなく感情を赤裸々に記した▽書くことにより自らを鼓舞し精神をコントロールした▽「ローマ字日記」では1日に原稿用紙18枚分など大変な分量を書いた─などの特徴を挙げた。
  • 手紙は511通。啄木の短歌から「用もなき文など長く書きさして/ふと人こひし/街に出てゆく」(「一握の砂」)を挙げ、現代のブログのような感覚で書いていたと指摘。「日記と同様に誰が読んでも分かりやすい書き方をした」と啄木独自の表現の面白さを紹介した。

(2019-04-23 岩手日報)