〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

若手女性歌人が啄木像と自作の歌を披露 啄木忌前夜祭

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ワラビ

啄木忌に心重ねる歌

 第15回啄木忌前夜祭(国際啄木学会盛岡支部主催)は12日、盛岡市の市民文化ホールで開かれた。「いわて故郷文芸部 ひっつみ」の若手女性歌人がそれぞれの啄木像と自作の歌を披露。作品や人物の魅力を語り合った。

  • 工藤吹さん「窓外に星は望めりアンテナを立ててラジオの電波を拾う」啄木が現代に生きていたら夜中にブログを更新してそう。
  • 牛越凜さん「行く末を誰も知らないならそれでよかったリュックサックをちぎる」常に悩みを抱えている。熱い気持ちがあって、でもそれはポジティブではなく全部ぶち壊してしまうような衝動という印象。
  • 工藤玲音さん「怒るときわたしのなかにあるろくろそこで回転する巨大土器」「ひとつ鉢を割り」という啄木の怒りと自分の怒りを比べて詠んだ。
  • 大坂瑞貴さん「ニュータウンのごとくなりたるふるさとをしおかぜケ丘とでも呼ぶべし」宮城県女川町出身で、復興工事が進む故郷を詠んだ。懐かしめないことが悲しい。


(2019-04-17 岩手日報