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「怖い短歌」倉阪鬼一郎著
- 「恐ろしい風景」をはじめ、「死の影」や「負の情念」などをテーマにした「怖い短歌」を集め、解説する異色アンソロジー。 国民歌人として親しまれる石川啄木だが、負の感情を露骨に表現した作品も詠んでいる。そのひとつが「どんよりと くもれる空を見てゐしに 人を殺したくなりにけるかな」。
- 啄木のそうした面を継承した夢野久作は、「腸詰めに長い髪毛が交つてゐた ジツト考へて 喰つてしまった」など、多くの「猟奇歌」を詠んでいる。
- 570首もの短歌で、人間に巣くう闇を見つめる。(幻冬舎 780円+税)
(2019-01-30 日刊ゲンダイ)