〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木の友 宮崎郁雨の正体露呈 文芸誌「視線」

 

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[スイセン]

「郁雨は啄木最悪の友となった」文芸誌「視線」

         近藤典彦(国際啄木学会元会長)

  • 「評伝 石川啄木」を書き継いですでに14年余、1911年の啄木を研究しているうちにとんだ真実を発掘してしまった。宮崎郁雨の正体が露呈したのである。啄木研究史にも享受史にも啄木をめぐる膨大な言説にも、函館啄木会のあり方にも、重大な修正をもたらす発見でもあると思う。
  • 啄木の生涯において最高最大の友情を捧げたのは金田一京助であるが、宮崎は最大の金銭的援助者(パトロン的存在)であった。文学者・思想家石川啄木の理解の点で金田一とは雲泥の差があった。
  • 郁雨は天才啄木への憧憬とコンプレックスとから一種の先物買いをしたのである。結構な額の金を啄木につぎ込んだ。金銭感覚が異常にだらしのない父一禎を見て育った啄木は、郁雨の援助を布施を受け取る僧侶の感覚で受け取ったようだ。そして郁雨の援助を無上の友情の現れと誤解した。

 

  • 六月事件(1911年 明治44年) 実家が函館に移住するため、いったん実家に帰ることを求める節子。啄木がこれを許さなかった。
  • 九月事件(1911年 明治44年) 宮崎郁雨が節子宛に出した「美瑛の野より」の手紙が原因で、啄木は郁雨と絶交した。

 

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文芸誌「視線」

 「視線の会」発行(函館 文芸同人誌)2019年1月 第9号
  一部500円。三省堂書店函館 川原店(川原町4)で販売。

  問い合わせ 和田さん(0138・32・6844)へ。