[ハゼ]
啄木歌碑、礎の物語 盛岡で企画展、建立に焦点
- 盛岡市渋民の石川啄木記念館(森義真館長)は、企画展「啄木第一号歌碑建立物語~無名青年たちの奮闘」を開いている。啄木の魂を故郷に」と渋民村に全国初の啄木歌碑を建立し、現在まで守り継いできた人々に焦点を当て、その意義を伝える。
- 現在同館近くの渋民公園にある歌碑は、啄木没後10年の1922(大正11)年建立。「やはらかに柳あをめる 北上の岸邊目に見ゆ 泣けとごとくに」の歌が刻まれ、全国180基超の啄木歌碑第一号として知られる。
- 建立への道筋は、啄木作品を高く評価していた作家江馬修(なかし)が20(同9)年、「岩手に啄木の歌碑を建てては」と発案したことから始まった。翌21(同10)年に東京、続いて盛岡に「啄木会」が結成され、運動は一気に加速。宮沢賢治や深沢省三さんらも名を連ねた。
- 企画展は3章構成。「啄木を故郷に帰せ !!!」とうたう起草文や、資金集めのために開かれた講演会のチラシは当時の熱気を物語っている。
- 碑に使われた石も、地元住民が寄付したもの。姫神山の麓から切り出された高さ約5m、重さ約13トンの巨大な花こう岩は、地元青年団や消防団を中心に約200人余が集まって人力で運んだ。運搬時や除幕式の写真には多くの村民が写り、地元を挙げて建立に突き進んだ様子を伝える。来年1月20日まで。
(2018-10-19 岩手日報)