〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 2018 啄木祭 啄木との出会いや魅力を語る


[公演中のロジャー・パルバースさん(撮影:山田武秋氏)]


啄木英訳 魅力伝える
  顕彰祭 パルバースさん講演

  • 盛岡市出身の歌人・詩人石川啄木を顕彰する啄木祭は9日、渋民の姫神ホールで開かれた。市民ら約350人が参加。啄木や宮沢賢治作品の英訳を手がけた作家、劇作家、演出家のロジャー・パルバースさんが講演し、啄木との出会いや魅力を語った。
  • パルバースさんは1967年に来日後、啄木の短歌は「多義的でどう翻訳していいか分からなかった」と振り返った。岩手公園の歌碑のそばに寝転んで「体が宙に浮いたようで『これだ』と悟った」という体験がきっかけとなり半年で199首を英訳したという。
  • 「啄木も賢治も大勢の悲劇は描かない。一人の人間の悲劇を悲しむ。それが本当の情けの形」と語った。東日本大震災について「一人一人の悲しみを、相手の皮膚の下に入って、そこから世界を見ることができる」と芸術の役割を述べた。

(2018-06-10 岩手日報