『東北おんば訳 石川啄木のうた』
「帯」より
訳というのは、
単なる言葉の
置き換えではない、
心の共有なのだと
感じました。
啄木の心を、
おんばの声で
聞くとき、
東北の強さ、深さ、
自在さが
伝わってきます。
俵万智
編著者 新井高子
「はじめに」より
- 東北生まれの歌人、石川啄木の短歌をその土地言葉に訳して、本を作る──。
- きっかけは東日本大震災でした。日本現代詩歌文学館の協力を得て、大船渡市の仮設住宅や総合福祉センターを会場に、地元の皆さんと石川啄木の短歌100首を土地言葉に訳しました。
- おんば(おばあさん、おばさんの意。親しみや敬愛を含んだ呼びかけの言葉)たちは、ときに腕組みし、ときにでき上がった訳に大笑い。三陸海岸の、おおどかな媼が紡いだ啄木のうた。ちょっと幻想的に「海のおんばのうた」と呼びたい気もしています。