〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木と賢治が震災と向き合ったならどうするか  復興支援フォーラム


[トビ]


盛岡・文化復興支援フォーラム

 震災 詩歌で次代へ 啄木と賢治にも言及

  • 3・11いわて文化復興支援フォーラムは、11日、盛岡市鉈屋町のもりおか町家物語館で開かれた。盛岡市出身の詩人城戸朱理さんと、作家の外岡秀俊さんが、意見を交わした。
  • 啄木と賢治が震災と向き合ったならどうするかという仮定について、城戸さんは「啄木は悲しみが普遍化したようなものすごい名作を書くだろう」と推察。短歌には俳句と異なり主体性や私性があり「出来事の悲惨さではなく自分の内側に取り込んだ悲しみを詠むのではないか」と想像した。
  • 外岡さんは「『銀河鉄道の夜』や『グスコーブドリの伝記』など、自己犠牲やレクイエム的な作品ですでに震災を描いている」と賢治作品の普遍性を示した。
  • 会場からの質問の「言葉で語り得ることと語り得ないことの境界がどこにあるか」に対して、「事実を残すことは大切で、既に賢治も啄木も書いているという意味では、書き得ない境界線というものはない」と展開。語り得ないものに対して沈黙するのでなく、教訓や伝承を後世に引き継いでいく言葉の力の重要性を強調した。

(2017-03-14 岩手日報