〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

30余年前 石川啄木の小説「二筋の血」が入試に出た

[ひなまつり]


「(葦)入試国語で本に出会う 野波健祐」[朝日新聞]

  • 大学受験シーズンも終盤だが、30余年前の経験を振り返ってみると、合否発表の瞬間は覚えているものの、答案用紙に臨んだ際の記憶は忘却のかなたにある。はて、どんな問題を解いたのだろう。
  • 入試から遠く離れた身で読み終えてみると、入試国語そのものが、ある種のブックガイドとして使えると思った。1996年の東大は科学史家・坂本賢三や作曲家・三善晃、京大は作家・幸田文の文章が出ており、これだけでも多種多様で、引用された断片も味わい深い。ちなみに記者が受けた共通1次試験を調べたところ、石川啄木の小説「二筋の血」が出ていた。「傍線部はどういうことか、説明せよ」の呪縛から放たれた今こそ、ゆっくり味わってみたくなった。

(生活文化部記者)
(2017-02-28 朝日新聞記事