〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木の『ローマ字日記』日本近代文学の絶頂 企画展 ~3/30


[オンシジウム]


企画展「ドナルド・キーン 石川啄木の日記を読み解く」開催中

東京都北区立中央図書館(愛称:赤レンガ図書館、十条台1-2-5)で、日本文学研究者のドナルド・キーン氏の評伝『石川啄木』(新潮社)に関連した企画展「ドナルド・キーン 石川啄木の日記を読み解く」を開催している。これは、同館に常設している「ドナルド・キーン コレクションコーナー」のさらなる周知を目的に、ドナルド・キーン・センター柏崎(新潟県柏崎市諏訪町10-17)から借り受けた資料を展示するもの。
会場では、キーン氏が啄木の『ローマ字日記』などの膨大な資料から読み解いた研究成果を写真付きのパネルで紹介。啄木の生涯と創作活動をたどりながら、キーン氏が「啄木は最初の現代日本人」と評した意味を知ることができる。


○北区名誉区民・北区アンバサダーであるドナルド・キーン氏は、日本留学2年目の昭和29年に出会った作家・石川啄木の『ローマ字日記』を「その芸術は独創的であるばかりでなく、日本近代文学の一つの絶頂である」と高く評価。以来、啄木はキーン氏にとって重要な研究テーマとなっている。
○この企画展では、日記や手紙など膨大な資料をもとに、キーン氏が啄木の生涯と創作活動を丹念に読み解いて2016年に出版した評伝『石川啄木』から、一部抜粋した資料を写真付きのパネルで紹介。16歳の時に文学の道を志して上京してから肺結核を患い26歳で亡くなるまで、啄木の生涯をたどりながら、『ローマ字日記』は事実を書いた日記でありながら一つの文学作品に仕立てられているとキーン氏が感じた理由や、「啄木は最初の現代日本人」と評するに至った経緯などを追っていく。
○また、同図書館の1階に常設されている「ドナルド・キーン コレクションコーナー」には、今回の企画展に関連した図書がおよそ130冊集められているほか、キーン氏が1974年に新潮社の雑誌「波」で啄木について執筆していた際の直筆原稿などの貴重な資料も展示されている。


◎パネル展「ドナルド・キーン 石川啄木の日記を読み解く」の概要


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