「滴一滴」【山陽新聞】
- 穏やかな年明けのようだ。初日の出を拝んで、こんな明るい気分になった人もいるだろう。「何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し。」(石川啄木)。
- 1日変わっただけで気持ちが改まり、弾む。次のような正月の歌も啄木にある。「正月の四日になりてあの人の年に一度の葉書も来にけり。」。三が日を過ぎ待ちわびた便りが届いたのだろうか。
- その年賀状は今年、あすの配達が休止になる。ピークの2003年度より発行枚数は減り、1通でも多く元日に配達するためという。啄木のように年賀状を今か今かと待つ人はもう少数派なのかもしれない。