〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「大の男が本当に蟹と戯れて泣いたか?」…俵万智さん


[紅葉]


リレー連載 「先生と私」(第10回)

 「先生への憧れがパワーを生む」俵万智さん

  • 高校は親の転職で福井県に引っ越し、そこで出会った国語の田辺洋一先生が憧れの先生でした。田辺先生は、ちょっと斜に構えた文学の話をよくされていました。
  • 例えば、石川啄木の「われ泣きぬれて蟹とたはむる」という一節について「いい年をした大の男が本当に蟹と戯れて泣いたと思うか?」と問いかけてきて、文学少女だった私はカッコいいなと思いました。
  • 大学卒業後は国語教諭になり、2年目に『サラダ記念日』を出版しました。
  • 今の先生方は本当に大変だと感じています。生身の人間を相手にしていることの重大さと素晴らしさを、先生方が日々感じられる環境であってほしいと願っています。

(2016年9月号 教職員のための共済フォーラム)