〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木『不来方のお城の草に寝ころびて……』


[六華]


福島・矢祭町の挑戦 根本良一前町長に聞く
  将来にツケ回せない
徹底した歳出削減で、手厚い子育て支援や財政健全化を実現した福島県矢祭(やまつり)町。改革を実行した根本良一前町長に、改革の進め方や少子化対策を聞いた。

  • 町の職員数や各方面の補助金を削ったとき、反発はありませんでしたか。
    • 「町民から憎まれたという自覚はない。矢祭のためという大きなテーマがあったからね。来期も町長をやりたいと思ったら改革はできない。町長を二十四年やったけど、いつやめてもいいという覚悟だったので、できたんじゃないか」
  • −どんな事情で行財政改革を決断したのですか。
    • 「国の補助金で学校を建てるにしても、ある程度の自主財源は必要だ。それを増やす必要があった。起債(借金)ばかりしていると、予算が硬直化して投資ができない。自分たちのために子どもの将来にツケを回してもならん。だから歳出カットが必要だった」
  • 中学生の修学旅行を海外に変えましたね。
    • 石川啄木の歌に『不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心』というのがある。不安や希望が入り交じる十五歳で海外に行くことが、どれだけよいことかと思った」

(2014-12-31 東京新聞

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