〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

<何(なん)となく、/今年はよい事あるごとし。…> 石川啄木


[マンリョウ]


年の瀬に  中日新聞>編集局デスク

  • ふだんの土曜日なら少々のんびりできるものを。そう思いながら家の掃除や買い物で慌ただしくしている方も多いでしょう。今年もあとわずかです。
  • 二百年近く前、長崎・出島のオランダ商館で働いたフィッセルは『日本風俗備考』でこう書きました。年末、人々は門松を飾るのに忙しく、最後の二日は未払いの勘定の清算に定められている。「とりわけ最後の夜は、すべてのことが終了した後でなければ、日本人は何びとも休息に入らない」。代金を取り立てる役は威勢のいい男たちでしたが、夜明けが来るとすべての催促は中止される決まりだったそうです。
  • <何(なん)となく、/今年はよい事あるごとし。/元日の朝、晴れて風無し。> 憂きことの多い世でも多くの人が、石川啄木の歌のような気持ちになる正月を迎えたいものです。皆さん、よいお年を。(名古屋本社編集局長・臼田信行)

(2014-12-27 中日新聞

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