〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「たはむれに母を背負ひて…」 9/9は重陽の節句


[アザミ]


忙人寸語 千葉日報

  • 〽柱のきずはおととしの五月五日のせいくらべ−。男の子の成長と健康を祈る端午の節句の様子を描いた童謡「背くらべ」。「きず」が昨年のものでなく「おととし」なのは、なかなか帰省できない兄を待ちわびる弟の気持ちを表現したという。
  • 昭和ひと桁生まれ。頑固者だが、猛烈サラリーマンとして高度成長を支えた父。毎夜遅い帰宅を待って皆で夕食をとるのが暗黙のルールだった。
  • 孫も中学生になり、いよいよ背の丈が父に並んだ。得意顔の少年に「おれも縮んだからなあ」と目を細める。<戯れに母を背負いてそのあまり軽(かろ)きに泣きて三歩歩まず>(石川啄木)。子や孫の成長はうれしい半面、親が老いていく様は寂しいもの。
  • きょう9月9日は重陽節句。不老長寿を祈る五節句の締めくくり。朝夕の涼しさが際立つ季節だけに健康管理には気を配りたい。

(2014-09-09 千葉日報>忙人寸語)

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