[ホトトギス]
啄木と賢治
- 連休中の慌ただしい旅だったが、青森市を訪ねての帰途、岩手県盛岡市に立ち寄った。
- JR盛岡駅前は観光客でにぎわっていた。翌朝、市内を流れる北上川沿いの「啄木であい道」を歩いた。石川啄木の小さな歌碑がいくつも並んでいる。その中に〈汽車の窓はるかに北にふるさとの山見え来れば襟を正すも〉の歌もあった
- 街を一望できる20階建てビルの展望所に行くと、岩手山(2038メートル)が秀麗な姿を見せていた。啄木も賢治もこの山に随分親しんだようだ。帰りに駅弁の「啄木弁当」を買い、新幹線に乗った。それを味わいながら、今年も実りの秋を迎えられぬ東北があることを思った。(憲)
(2013-09-27 長崎新聞>水や空)