啄木親友の生涯たどった本刊行 盛岡市の研究家
- 盛岡市出身の歌人、石川啄木(1886〜1912年)が、歌集「一握の砂」に収めた短歌で名前を詠んだ友人、小林茂雄氏(1886〜1952年)の生涯をたどった「啄木の親友 小林茂雄」が刊行された。
- まとめたのは、国際啄木学会理事で近代文学研究家の森義真さん(59)=盛岡市。「友人の視点から見た、従来にはない啄木論になった」と話している。
- 小林氏は啄木の1学年下で、後に産婦人科医となり、盛岡市議も務めた。
- 本では、小林氏の生涯をたどりながら、啄木が小林氏に宛てた手紙の解説を盛り込んだり、小林氏が取り組んだ啄木の顕彰活動を紹介したりしている。33年に盛岡市内に歌碑を建てた際には「快活で、新しく、自由で、ねじくれない、友情のあつい青年だった」と啄木を振り返ったという。
- 2100円。問い合わせは盛岡出版コミュニティー((電)019・651・3033)。〔共同〕
(2013-01-12 日経新聞)
『啄木の親友 小林茂雄』森 義真 著 2100円盛岡出版コミュニティー