〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

愛好家も研究者も必読『復元 啄木新歌集』


[ウメ]


「文庫日和」週刊読書人 2012年2月17日号)
石川啄木著・近藤典彦編『復元 啄木新歌集』(桜出版)
  啄木愛好家も、研究者も必読のテキスト

  • 啄木没後百年、「悲しき玩具」が生まれ変わり、幻の歌集「仕事の後」の復元が叶った! 
  • 本書は、従来「悲しき玩具」の名で知られている「一握の砂以後(四十三年十一月末より)」と、幻となった「仕事の後」、二つの歌集からなる。『悲しき玩具』は友人であった土岐哀果が啄木の死後に編集したもので、重要な問題点を含んでいる。このたびその諸問題を解説し、また解決して、新たなかたちで「悲しき玩具」が誕生した。
  • 「仕事の後」は啄木自身が死去する数年前からの歌をまとめた歌集だったが、版元・春陽堂に持ち込むも売れず。再編集しなおした第二次及び第三次「仕事の後」が「一握の砂」の原型となっているという。今回復元されたのは、再編集前の第一次「仕事の後」。

316ページ。1050円。桜出版 TEL.03-3269-3420

(2012-02-17 週刊読書人新刊の案内 桜出版