〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木が詠んだズーズー弁はもはや、上野駅では聞くことができない


[バラ]


ちばみなと研究所:房総半島を探求する
千葉県柏市限定「パンザマスト」って何?

  • 「パンザマストが鳴ったら、家に帰ってね」「言わなくてもわかっているよ。パンザマストだね」。
  • 「パンザマスト……いったい何なんだ」。調べてみると、母親たちの願いが込められた「新方言」という意外な姿が浮かんできた。【研究員・橋本利昭】
  • まずは居住する柏市の市役所に出かけた。「それは児童の帰宅を促す柏市限定のアナウンスの呼び名なんです。夕方に防災無線で流されるメロディーですよ」。
  • 東日本大震災で被災地の子どもが都会の子どもと変わらぬ言葉でテレビのインタビューに答えているのを見ると、東北出身の研究員は「地方の味わいのある方言が失われている」と、つい嘆いてしまうが、これも井上史雄教授(明海大 社会言語学)に言わせれば「必然の動き」。人間の集団が密になると、無意識に相手の言葉に合わせるもので、共通語化は、テレビより対面コミュニケーションの影響が大きいというのだ。文章語と違い、口から耳に伝わる言葉はまさに生き物。
  • 「ふるさとの訛(なま)りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」。石川啄木が詠んだ東北のズーズー弁はもはや、上野駅では聞くことができない。その代わりに新方言の中に、太古のロマンに思いをはせるヒントがあるということか。身近な言葉に耳をすませ、その糸口を見いだすことの面白みに気付かされた研究員だった。


<千葉県で使用される主な新方言
 アオナジミ(アザ)=県北部の中学生の間で広がる
 イッショー(いいでしょう)=新日鉄君津から、北海道方言が伝わった
 ウザイ(気持ち悪い)=県東海岸では高校生の7割使用の報告
 ウチンチ(自分の家)=千葉、埼玉、神奈川の子どもが使用する新方言
(2011-11-16 毎日新聞>地域ニュース>千葉)