〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

尾崎豊さんの「遺書」と石川啄木

[ハマナス]


十五の心

  • 二十六歳の若さで亡くなった歌手尾崎豊さんの「遺書」が月刊誌に掲載された。
  • 先日、インターネットで、尾崎さんの死後見つかったノートに歌人石川啄木の歌が1首記されていたことを知った。また石川啄木記念館(盛岡市)では啄木没後90年にあたる2003年度の啄木祭で、尾崎さんの曲に啄木の短歌をほうふつさせる詞があることから、「啄木と尾崎豊〜時代を駆け抜けた青春〜」と題したイベントを企画したことも。

 「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心」(石川啄木
 「誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に
 自由になれた気がした15の夜」(『15の夜』 作詞尾崎豊

  • 自由、青春、愛…。明治と昭和の違いはあっても、学校や大人に縛られる息苦しさを嫌う若者の心を、二人は歌い、同じ二十六年間の短い生涯を終えた。
  • 時代は変わって東日本大震災のあったことしの15歳は、どんな思いで毎日を過ごしているのだろう。「震災前よりいい町にしたい」「地域の役に立ちたい」−。子どもたちが、けなげに話すのをよくテレビで見た。そんな子どもの心を決して傷付けたり裏切ってはならないと思う。(47NEWS編集部 黒川美加)

(2011-11-11 47NEWS>日めくり)