〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

だらしない啄木に光「泣き虫なまいき石川啄木」10/7-10/30


[サワフタギ]


井上ひさし作「泣き虫なまいき石川啄木」を段田安則が演出

  • 「泣き虫なまいき石川啄木」(シス・カンパニー企画・制作)は、啄木が早世するまでの3年間を描いた評伝劇。「薄幸の歌人」というイメージとはひと味違った石川一(啄木の本名)の人間臭さにスポットを当てる。段田安則が演出・出演する。
  • 上京した一(稲垣吾郎)は、故郷から母(渡辺えり)、妻(貫地谷しほり)と子を呼び寄せるが、新聞社の校正係の仕事もさぼりがちで極貧にあえいでいる。親切にしてくれる親友・金田一鈴木浩介)にも甘えっぱなし。そこへ、甲斐性のない父親(段田)までが転がり込んでくる。
  • 段田は「貧困生活の中で家族に振り回されながら、世間にも認められず、必死にもがいている姿に、正攻法でぶつかっていこうと思う」と語る。
  • 啄木は、ウソつきでだらしなく、一方で鼻持ちならないくらいの自惚れ屋として描かれているが、「理想と現実が一致しないのは、若い頃には誰にでもあること。家族の問題もいつの時代にもあり、今に通じる箇所がいっぱい見いだせる」と話す。


・前売り完売、当日券あり。