〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

今、手にとりたい歌集『一握の砂』CREA


[ニラ]


雑誌: CREA 2011年9月号 文藝春秋
「大人のための読書入門」


○ 昭和の大作家の表名作&裏名作 (セレクト:湯川豊関川夏央

  • 『泣き虫なまいき石川啄木井上ひさし(裏名作)
    • 貧困、扶養義務、妻の浮気。啄木の早い晩年を、ユーモラスに描いた悲劇。「作家の私生活上の危機と重なった」


○ 本で旅する東北

  • 『一握の砂』・『悲しき玩具』石川啄木新潮文庫
    • 「ふるさとの訛りなつかし…」と上野駅で呟いた啄木の生まれは岩手県盛岡。平易な言葉と等身大の目線で詠まれた短歌はツイッターのよう。そのノスタルジックなセンスは現代人のナイーブさにも通じる。


○ 心震わせる詩の世界 (北村薫:編集)
「今、手にとりたい詩集・歌集10冊」

  • 『一握の砂』石川啄木朝日文庫
    • 復刻本ではないが、啄木が出した初版と同じ歌の配列でデザインされた、ひじょうに珍しい文庫本。歌の並び方まで、啄木が工夫していたことがわかると思う。この本のおもしろさは、誤植まで生かしているところ。難解な言葉には注釈もついているので、とても読みやすい。