我を愛する歌
(P.74)
男とうまれ男と交り
負けてをり
かるがゆゑにや秋が身に沁む
わが抱く思想はすべて
金なきに因するごとし
秋の風吹く
<ルビ>交り=まじり。
(P.75)
くだらない小説を書きてよろこべる
男憐れなり
初秋の風
秋の風
今日よりは彼のふやけたる男に
口を利かじと思ふ
<ルビ>初秋=はつあき。彼の=かの。
《つぶやき》
秋が身に沁む・秋の風吹く・初秋の風・秋の風、秋の歌が見開き二ページに広がる。
本日より9月。