〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

浅草凌雲閣、啄木や花袋らのまなざし


[ゲンノショウコ]


『浅草十二階 塔の眺めと〈近代〉のまなざし(増補新版)』

関東大震災で失われた浅草凌雲閣、通称 「十二階」。眼下に吉原を望み、見世物小屋、広告塔としても機能したこの塔の眺めが、啄木や花袋らのまなざしをとらえ、「近代」の欲望を体現する。

新たにコラム「飛行機は空の黒子」「魔法使いの建てた塔」を増補。

○ 第11階 啄木の凌雲閣
女を覗く男・男を覗く女/乞ふ続々御飛降あらんことを/飛び下(お)りかねき/その顔その顔/日記と腕組み/高みからのまなざし/都市の底/まなざしを避けながら/塔下苑―日記、いただき―歌