[啄木歌碑 上野駅構内]
河北春秋
- 東北線の上野―仙台間が結ばれたのは1887年12月のことだった。『仙台市史』によると、大雪に見舞われ、一番列車は仙台到着が3時間も遅れた。
- JR東北線一ノ関―仙台間がきょう運転を再開する。大震災から約40日、東北を南北に貫く大動脈の復活だ。
- 失って初めて気付くありがたさがある。鉄道もその一つだろう。生活に密着したローカル線であれば、なおさらだ。正確なダイヤと大量輸送力の回復は復興へ向けた力強いけん引車になる。
- <ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにいく>。盛岡市出身の石川啄木が詠んだ歌碑が上野駅のホームに残されている。訛も人ごみも乗せて、愛すべき日常が戻ってきた。
(2011-04-21 河北新報)