〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い息づかいに触れてみたい

石川啄木 著(P.50〜51)我に似し友の二人よ


我を愛する歌


(P.50)


   我に似し友の二人よ
   一人は死に
   一人は牢を出でて今病む


   あまりある才を抱きて
   妻のため
   おもひわづらふ友をかなしむ


<ルビ>牢=ろう。出で=いで。


(P.51)


   打明けて語りて
   何か損をせしごとく思ひて
   友とわかれぬ


   どんよりと
   くもれる空を見てゐしに
   人を殺したくなりにけるかな


<ルビ>打明けて=うちあけて。


《つぶやき》
「どんよりと」の歌は、2008年6月の秋葉原無差別殺傷事件を思い出す。中止されていた歩行者天国がおととい(23日)再開され、10万人もの人で賑わった。そして今日、検察側が事件の被告に死刑を求刑した。