〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

映画『ガマの油』出会えたことにありがとう


ガマの油』人は二度死ぬ・・・

数億の金を指先で動かすデイトレーダーが主人公。プール付きの豪邸で妻と息子と暮らしている。息子は、少年院から出てくる友だちを迎える途中に交通事故に遭い・・・。

哀しくも可笑しい話。悲劇と喜劇、過去と今と幻想が入り交じる。ガマの油売りとそのカミさんが度々登場し主人公の世界を揺する。
話の面白さとともに役者の巧みな配置がよかった。小林聡美さんの二役は、暖かい母と大きい妻をみごとに演じていた。二階堂ふみさんは、真っ直ぐな言葉や明るい笑いがよかった。全員はまり役だったが私の一番はこの人、澤屋敷純一さん。100キログラムの身体に漲る力と清い心がよく表れていた。


極めて日本的な映画だったと思う。

「人は二度死ぬ」という言葉が印象的だった。