「かもめ食堂」
ヘルシンキの「かもめ食堂」は、小柄な日本人女性が店主。客は日本おたくの男の子だけ。そこに訳ありげな日本女性がやってくる。
映画「かもめ食堂」には描かれていない「訳ありげな」二人の女性の「訳」が、すごく納得できた。ヒロインの食堂開業までの道のりも、山あり谷あり驚きありで、映画と別の興味がわいた。
ヒロインであるサチエの言葉には説得力がある。
「どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。その人がどうするかが問題なんです。しゃんとした人は、どんなところでもしゃんとしていて、だめな人はどこに行ってもだめなんですよ。きっとそうなんだと思う」
寝ぎわに読み始めたのは大失敗だった。フィンランド人からきたハガキに「『おろろきました』とつたないひらがなで書い」てあったとあり、笑いすぎて眠れなくなった。