〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

入賞決まる 啄木父子歌碑建立記念短歌大会・高知 <その2>


[クロード・モネ]


入賞発表<その2>

───────────────
学生の部 (高校)  家族  

  • 優秀賞

   捨てるのが面倒/だからと/母溜(た)めし/その新聞に父の詩(うた)あり
    皆口湖雪 高1 福岡市


   生きるのはやっぱり辛いが明日がある雲の真上はいつも青空

    川上春姫 高2 茨城県結城市


   じいちゃんの本の整理をしていたら栞が出てきたばあちゃんからの
    辻谷海帆 高2 茨城県結城市


   母の手を強く握ったその訳は/普段言えない言葉のかわり
    坂田渉 学生 福岡県須惠町


   気がつけば/見下(みお)ろすようになっていた/母のつむじの白髪に気づく
    久米千咲紀 学生 福岡県粕屋町

───────────────

学生の部 (高校)  龍馬

  • 優秀賞

   新しき時代を開く強さあり/世界を見つめ日本(にほん)を見つめ
    久米千咲紀 学生 福岡県粕屋町


   さわやかに/アメリカへ行くと叫んでる/坂本龍馬はブーツを履いて
    河田玲央奈 高1 群馬県高崎市

───────────────
学生の部 (高校) 路面電車

  • 優秀賞

   受験への 不安自信を つめこんだ/路面電車は 一直線に
    佐藤美貴 高校 福岡市


   先生と並んで座る路面電車仕事疲れのため息二つ
    川村貴子 高1 高知市


   液晶(えきしょう)の君の言葉が胸を刺(さ)す/路面電車に揺(ゆ)られて/ひとり
    久米千咲紀 学生 福岡県粕屋町

───────────────

学生の部 (高校) 自由

  • 優秀賞

   いきなりの雨に降られて雨やどり/2本の傘と君が現わる
    坂田渉 学生 福岡県須惠町


   さりげなく初めて握った右の手はとても大きく温かかった
    相澤樹来 高1 茨城県結城市


   屋上のベンチの上に昼寝する君の帽子がぽとりと落ちた
    安形美紀 高2 茨城県結城市


   手袋とコート・マフラー身に着けて完全武装定時制の夜
    高橋広樹 高2 茨城県結城市


   釣り人が水平線を眺めてる/黄色い帽子の/小さな子どもと
    東城優花 高1 群馬県高崎市

───────────────

中学生の部

  • 優秀賞

   三度目も願い叶えぬ流れ星己で成せよと言うような月
    溝渕明子 中3 土佐清水市

───────────────

小学生の部

  • 優秀賞

   家族とは 心をいやす 宝もの やさしい言葉 あたたまるよね
    中平沙良 小5 東京都新宿区


   コンパスをゆっくり大きくまわすなか花火はやみに赤くさいてる
    中田光紀 小6 福山市


   街路樹のもみじやいちょう染まりだし 風雨の後は地面いろどる
    尾原健太 小6 高知市



(つづきは、また)