[ノブドウ]
○ 随筆「啄木のローマ字日記」
- <この≪ローマ字日記≫を初めて読んで、啄木がこんなにも優れた散文(ローマ字もまた散文の一つに数えられるならばだが)を日記というひそやかな形で遺していたことに驚く> と同時に≪一握の砂≫や≪呼子と口笛≫と比べても <遜色ない代表作ではないかと思うようになった> と本音を吐露する。
- それまで書き渋りがちだった文がローマ字を使うことでよどみない、伸び伸びと生気に満ち <肌理のこまやかな文章> になり <どんな恥ずかしいこと> や <汚らしいこと> でも平気でというより <むしろ新鮮な情熱をもって躊躇なく> 書けた。(吉田徳壽 前東奥日報社編集委員)
(2011-11-13 東奥日報)