啄木の息

─ いまもなお瑞々しく語りかけてくる啄木の魅力を追い その息づかいに触れてみたい ─

‘今日は五月一日なり、われらの日なり。--「墓碑銘」啄木


[ジシバリ]


<きょうの潮流> 石川啄木「墓碑銘」

  • 「・・・‘今日は五月一日なり、われらの日なり。’/これかれのわれに遺したる最後の言葉なり―。」石川啄木が1911年に詠んだ詩、「墓碑銘」の一節です。
  • 日本の第1回メーデーの9年前。啄木は、「5月1日」がどんな日か知っていました。当時、社会主義者への道を歩んでいた啄木にとっては、当然といえば当然かもしれません。
  • 「墓碑銘」の中の「かれ」は、機械工です。5月1日病死。ある時、彼が語ります。“同志よ、われの無言をとがめるな。議論は苦手だが、われはいつでも起ち上がる準備ができている”。
  • 「かれ」は「大逆事件」の被告、宮下太吉ともいわれます。「かれ」の素材の人物が誰であろうと、墓碑銘の言葉は、死の病におかされていた啄木自身の決意のようにも読めます。

(2010-05-01 しんぶん赤旗>潮流)