〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木 出版物

初めて啄木短歌を英訳したのは→小樽で育った女性

世界は啄木短歌をどう受容したか 池田功 編 桜出版 ブックレビュー はたらけど/はたらけど猶わが生活【くらし】楽にならざり/ぢつと手を見る 石川啄木 世界で、石川啄木の短歌が受容されているという。英語はじめ、中国語、韓国語、インドネシア語、ドイツ…

発掘資料から啄木を掘り起こし 新事実を突き止めた書『石川啄木と岩手日報』

郷土の本棚 『石川啄木と岩手日報』小林芳弘著 記事から知る新事実 啄木の生涯で就いた職業は、代用教員と新聞社勤めの二つ。新聞社は、北海道4社と東京朝日新聞で、岩手日報に籍を置くことはなかった。 しかし、啄木は日報紙上には113編もの短歌、詩、評論…

「銭形平次」野村胡堂と『一握の砂』石川啄木の不思議な取り合わせ

ウメ 読書 『胡堂と啄木』 郷原宏著 作家と歌人 不思議な共通点 実に面白く胸おどるような思いにさせる文学的評伝である。岩手県の盛岡の同じ中学で青春を過ごしたふたりの少年が、明治・大正という近代日本の疾風迅雷のなかで、文学者として成長していくと…

啄木は「美意識や抒情よりも 日常生活を詠んだ」から受容されたのでは…

自著を語る 『世界は啄木短歌(TANKA)をどう受容したか』 池田 功 石川啄木は、『一握の砂』と『悲しき玩具』の歌集が有名である。これらの短歌は日本で読まれているとともに、現在19の言語に翻訳され海外でも受容されている。日本独自のリズムの短歌は、異…

「日本語」の啄木短歌を「世界」に向けて解き放つ

サザンカ 書評 『世界は啄木短歌(TANKA)をどう受容したか』 池田 功 編 母語が違っても共有できる魅力 評者 太田 登(天理大名誉教授) 翻訳はあらたな言語を創造する文化である。明治文学は翻訳文学を基盤に成立したともいえる。若い日の石川啄木もイプセ…

新刊!『石川啄木と岩手日報』新事実が明らかに…

ジャケット (明治後期の岩手日報社) 『石川啄木と岩手日報』 新刊 (発行 2019年12月1日) 著者 小林 芳弘 桜出版 税込 1,650 円 帯 これまであまり知られることのなかった啄木、および啄木結婚式前後の謎行動を探る新事実などを明らかにすることができた…

新刊!世界中から愛される啄木短歌『世界は啄木短歌をどう受容したか』

『世界は啄木短歌(TANKA)をどう受容したか』 池田功 編 桜出版 目次 第 l 章 アジア圏・東洋圏 中国語圏 韓国語 インドネシア語 インド(ヒンディー語・マラヤーラム語) 第 ll 章 西欧圏 英語圏 ドイツ語圏 ロシア語 編者 池田 功 明治大学大学院文学研究…

『啄木そっくりさん』 著者の人生と文学研究の交わり

書評 『啄木そっくりさん』 大室精一 著 啄木研究に著者人生を交錯して 評者:小菅麻起子 本書は一般読者を意識して、啄木短歌を楽しめるよう、また近年の啄木研究を分かりやすく伝えるために編まれた一冊である。『啄木そっくりさん』のタイトルは、著者の…

新刊! 『石川啄木の過程』新木 安利(著)  

マテバシイ 『石川啄木の過程』 新木 安利(著/文) 発行 海鳥社 発売予定日 2019年10月15日 定価 2,000円+税 紹介 「天才」意識を持ち、文学で身をたてることに疾走する啄木。その「挫折」、そして、貧困のなかで、自己を改善し、自己の哲学を実行せんとする…

新刊紹介!『啄木断章』碓田のぼる

コブシ 『啄木断章』 碓田のぼる/著 発行/本の泉社2019年10月7日 発売予定本体価格:1,300円+税 内容 老将軍はいまや無名の典型となって、馬首をめぐらし、ナショナリズムを越境してグローバルな世界(のちの社会主義的思想)へ旅立とうとする 目次 啄木…

短歌鑑賞深める鍵に『クイズで楽しむ啄木101』

『クイズで楽しむ啄木101』 郷土の本棚 『クイズで楽しむ啄木101』 大室精一 佐藤勝 平山陽 著 本書は、本県が生んだ歌人石川啄木の人物像や短歌の魅力を老若男女に楽しく伝えることを目的に編まれた。 「啄木そっくり」と称される啄木研究者・大室精一氏、…

新発売! 『啄木そっくりさん』は、どなた?

表紙 『啄木そっくりさん』 大室 精一 著 桜出版 1,200円(税別) 《プロローグ》より 「大室君は啄木にそっくりだね。」と、岩城之徳先生に最初に言われたのは、私が大学二年生の時、「近代国文学」の授業だったと記憶している。それ以来、私は「啄木そっく…

答えはなんでしょう?『クイズで楽しむ啄木101』

表紙 新発売!『クイズで楽しむ啄木101』 大室精一 佐藤勝 平山陽 著 桜出版 1200円(税別) 著者 大室精一(オオムロセイイチ) 埼玉県生まれ。“啄木そっくり”の啄木研究者。 佐藤勝(サトウマサル) 福島県生まれ。啄木文献のスペシャリスト。 平山陽(ヒ…

新刊!『クイズで楽しむ啄木101』『啄木そっくりさん』

サクラ 新刊 『クイズで楽しむ啄木101』 大室精一 佐藤勝 平山陽 著 桜出版 1200円(税別) 『 啄木そっくりさん』 大室 精一 著 桜出版 1200円(税別) 申込は 桜出版へ メール sakuraco@leaf.ocn.ne.jp ファックス 019-613-2369

デザインマンホール決定 盛岡

ナツツバキ ― マンホーラー盛岡に ― 盛岡市制130周年を記念するマンホールのデザインが「さっこちゃん・とふっち」に決まった。4デザインを候補に市内街頭アンケートしたら4割以上の支持があった。 他3候補は「啄木短歌と石垣」「盛岡3大めん」「南部家の家…

啄木の妻・節子の真実を探る 『わが夫 啄木』

カナメモチ 郷土の本棚 『わが夫(つま) 啄木』鳥越碧 著 発行 文藝春秋企画出版部 発売 2018年12月 1,800円+税 啄木の妻・節子を主人公とする小説。啄木の生涯は広く知られており、今日では節子に焦点を定めた研究も存在する。となれば、時代小説大賞で世…

本と人と 『続 石川啄木文献書誌集大成』佐藤 勝 さん

[上野公園] 読書「本と人と」 『続 石川啄木文献書誌集大成』佐藤 勝 さん JR上野駅構内15番ホームには「ふるさとの訛なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」の啄木歌碑があります。 昭和33年(1958年)15歳の少年だった著者は福島県の山間の町か…

松浦武四郎や榎本武揚、石川啄木ら紹介 『ほっかいどう先人探訪』

[サザンカ] 北海道ゆかりの人物53人を紹介 様々なジャンルで活躍した北海道ゆかりの人物を紹介する『ほっかいどう先人探訪 北の歴史を彩った53人』が 9日、柏艪舎(はくろしゃ 札幌市)から刊行された。北海道命名150年を記念し、昨年、本紙北海道版で連載し…

啄木の友 宮崎郁雨の正体露呈 文芸誌「視線」

[スイセン] 「郁雨は啄木最悪の友となった」文芸誌「視線」 近藤典彦(国際啄木学会元会長) 「評伝 石川啄木」を書き継いですでに14年余、1911年の啄木を研究しているうちにとんだ真実を発掘してしまった。宮崎郁雨の正体が露呈したのである。啄木研究史に…

「郁雨は啄木最悪の友となった」文芸誌「視線」

文芸誌「視線」第9号発行 過去最大ボリュームに【函館】 函館の文芸同人「視線の会」が発行する文芸誌「視線」の第9号が完成した。客員同人で、国際啄木学会元会長の近藤典彦さんが「郁雨は啄木最悪の友となった-絶交とその後の真実-」と題して特別寄稿。…

14歳の出会い 貧窮の中で生きた啄木と節子『わが夫 啄木』出版

[フユザクラ] 『わが夫(つま) 啄木』 鳥越碧 著 1,800円+税 発売 2018年12月14日 発行 文藝春秋企画出版部 石川啄木の死の1年後、同じ肺結核で死の床にある妻の節子の回想で始まる小説で、全編を節子の視点で描き、二人の錯綜した愛を掘り下げます。互い…

研究に欠かせない!『続 石川啄木文献書誌集大成』

[『続 石川啄木文献書誌集大成』] 続 啄木文献集を刊行 佐藤さん(国際啄木学会理事)20年分収集 盛岡市出身の歌人・詩人石川啄木に関連する文献や新聞記事など20年分の目録をまとめた『続 石川啄木文献書誌集大成』(桜出版)が刊行された。研究者や愛好者…

新刊『続 石川啄木文献書誌集大成』啄木研究に必須‼

『続 石川啄木文献書誌集大成』 著者 佐藤 勝 発行 桜出版 2018年12月1日 初版第1刷発行 <序文> 啄木文献学の醍醐味ここにあり 国際啄木学会元会長・天理大学名誉教授 太田 登 この度の『続 石川啄木文献書誌集大成』は、1901(明治34)年から1998(平成 10)…

 『評伝 平出 修 而立篇』鉄幹・晶子や啄木、鴎外との交流

[ヤマボウシ] 『評伝 平出 修 而立篇』 塩浦 彰 著/ 新潟日報事業社 言論の自由と平和を奪われること― その非情さを知らない世代へ いま、伝えたい人物 1910年に起きた「大逆事件」弁護人として知られる平出修。 「法律と文学」二筋の路(みち)を歩んだ、…

 啄木は『一握の砂』に想像を絶する巧緻をはりめぐらせた

[ヤマツツジ] 本と話題 「よみがえる啄木の構想」 近藤典彦 石川啄木 著・近藤典彦編『一握の砂』『悲しき玩具』へのお誘い 石川啄木の研究史は100年を超え、私の啄木研究も30年を超えた。今しみじみ実感しているのは、啄木は文学・思想 2領域での天才だった…

 「ふるさとの山に向ひて」 それぞれのふるさとの山を思う

[カエデ] 『ふるさとの風の中には ―詩人の風景を歩く』 ・俵 万智 著 河出書房新社 ・1992年発行 1500円 「ふるさとの山に向いて」 石川啄木 ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆくこの歌は、岩手県で生まれた石川啄木が、東京で作った…

 啄木・賢治 岩手の文学者2人の魅力

[岩手日報社刊『啄木賢治の肖像』広告(2018-04-19 岩手日報)] 『啄木賢治の肖像』 阿部友衣子、志田澄子著 岩手日報社 972円(税込)新書判312ページ 2018年4月発行 記事

『孤高の歌人 土岐善麿』啄木等と一つの時代をつくった

『明治・大正・昭和を生き抜いた孤高の歌人 土岐善麿』 長浜功 著 社会評論社 3400円+税 2018年4月16日 発行 ともかく土岐善麿という人物の存在はほとんどと言っていいほど知られていない。とは言っても石川啄木をはじめとして斎藤茂吉とか若山牧水、北原白…

 『啄木賢治の肖像』岩手が生んだ文学者2人の魅力

[サクラ] 『啄木賢治の肖像』 阿部友衣子、志田澄子著 岩手日報社 972円(税込)新書判312ページ 2018年4月発行 石川啄木の生誕130年、宮沢賢治の生誕120年を記念して、岩手日報紙面で2016年1月から計30回にわたり連載した特集を書籍化。 18の共通テーマと識…

 歌を詠む啄木の頭上に流れる豊かな韻律

おんば訳で読む啄木 (天声人語) 〈稼(か)せぇでも稼せぇでもなんぼ稼せぇでも楽(らぐ)になんねァじィっと手っこ見っぺ〉。はたらけどはたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る。石川啄木の名歌100首を、岩手県の気仙地方に暮…