短歌は心の言葉 石川啄木の代表作「一握の砂」に癒されて
こんにちは。あづみです。
言葉にできないまま、閉じ込めてしまった気持ちはありませんか?
なんだか、悲しい。
なんだか、寂しい。
そんな言葉に出来ないモヤモヤを代弁してくれるのが、石川啄木の代表作「一握の砂」です。
はたらけどはたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る
引用:「一握の砂」石川啄木
啄木の短歌には、心の動きを詠んだ歌がたくさんあります。
特に落ち込んだときなど、読者の心の代弁をしてくれているような気持ちにさせてくれます。
今回ふと訪れた図書館で、懐かしさのあまり手にとった啄木の歌集は、朝日新聞出版の「一握の砂」 近藤典彦編 です。
近藤典彦さんは、長年石川啄木の研究をされてきた方で、この本は、一握の砂の初版本の形を残した編集となっています。
また、近藤典彦さんの解説はとても分かりやすく、また啄木の編集の意図や本が出版されるまでの経緯なども書かれていて、改めて啄木の魅力を知ることができました。
手套(てぶくろ)を脱ぐ手ふと休(や)む
何やらむ
こころかすめし思ひ出のあり
引用:「一握の砂」石川啄木
近藤先生によると、「瞬間描写の天才啄木の面目躍如とした傑作」とありました。
私も一番心をひかれた歌です。
思いかけず昔を思い出すことってありますよね。
ほんの数秒でも、その印象はしばらく残っている、その瞬間を逃さない啄木の凄みを感じます。
この章の編集が終わり、「一握の砂」の見本組が届けられた日に、啄木は生後24日目の長男を亡くします。
(2021-06-16 書人ブートキャンプ.)
短歌は心の言葉|石川啄木の代表作「一握の砂」に癒されて