ZARD展、名曲の「詞」たち きょうから町田で
- デビュー30年となるZARDのボーカル、坂井泉水さん(享年40)の「詞」に焦点をあてた企画展。約20点の直筆原稿のほか、坂井さんが好きだった石川啄木の歌との言葉の重なりを解説する展示もある。スマートフォンのアプリを使って歌が聴けるしかけもある。(前川浩之)
(2021-06-01 朝日新聞)
塔短歌会 青蟬通信 2021年5月号
「火は大洪水の如く街々を流れ、火の子(ママ)は夕立の雨の如く、幾億万の赤き糸を束ねたるが如く降れりき、全市は火なりき、否狂へる一の物音なりき」
さすがに迫力のある文体である。大火を見たときの興奮が伝わってくる。
(2021年5月号 塔短歌会)
講義No.10975
石川啄木の試み
明治時代の日本は近代化を遂げ、社会は大きく変化しました。近代化の波は文学にも及びます。短歌も例外ではありませんでした。そんな時代に、万葉集の時代から続く短歌を適応させる役割を果たしたのが、明治を代表する歌人、石川啄木です。代表作に「ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」という短歌があり……。
言葉の近代化に向き合う
同じく啄木の「何やらむ/穏かならぬ目付して/鶴嘴(つるはし)を打つ群を見てゐる」という短歌は、「テイル」という形で終わります。これは当時の工夫の一つでした。古典では、時を表す助動詞は「つ」「ぬ」「たり」「り」「き」「けり」と多くの種類があり、和歌(昔の短歌)にも多く使われています。明治期に入って、書き言葉を話し言葉に近づけようとする「言文一致運動」など言葉の近代化によって、こうした助動詞はすべて「た」に集約され……。
アップデートは続く
短歌が近代化に適応できたのは、啄木のように、当時の歌人たちが短歌をアップデートさせたことが大きく関係しています。こうした試みは時代を経ても受け継がれ、現代でも口語を交えて表現する俵万智の『サラダ記念日』のような短歌が生まれ続けて……。
◎河野 有時 先生
京都ノートルダム女子大学
国際言語文化学部 国際日本文化学科 教授
(Yumenavi 夢ナビ編集部)
石川啄木記念館
~昨年このイベントは残念ながら中止となりましたが、今年の開催が決定しました!~
・開催期間:令和3年6月1日(火)~9月26日(日)
・時間:各施設で異なります。
・場所:石川啄木記念館、盛岡市先人記念館、盛岡てがみ館(盛岡市)、
野村胡堂・あらえびす記念館(紫波町)
・料金:要入館料
(石川啄木記念館)
チラシ
https://www.mfca.jp/takuboku/wp-content/uploads/sites/9/2021/05/20210523144404599.pdf
「野村胡堂・あらえびす記念館」(紫波町)で現在、特別展「胡堂交友録 アニメ『啄木鳥(きつつき)探偵處(どころ)』と実在の文士たち」が開かれている。
(2021-05-24 盛岡経済新聞)
盛岡経済新聞
https://morioka.keizai.biz/headline/3313/
「日本文学 5」特集・病と文学
──可能性を秘めた疫病文学──
池田 功(明治大学)
五 伝道師の英雄の夢から破局に
おわりに
「日本文学 5」特集・病と文学
2021年 VOL. 70 日本文学協会編集・刊行
(おわり)
「日本文学 5」特集・病と文学
──可能性を秘めた疫病文学──
池田 功
二 強行診断、交通遮断、隔離病舎
四 新興宗教の布教と病とのかかわり
「日本文学 5」特集・病と文学
2021年 VOL. 70 日本文学協会編集・刊行
(つづく)